背景・経緯

建築業界では、木造建築が重要視されています。木材は燃やさずに建築資材として長く使い続けることが炭素固定期間を最大化する最も望ましい手段です。しかし、現在の日本の建設現場における木材の再資源化率は96%と高い水準を誇りますが、その内訳を見ると、約64%がバイオマス発電などの燃料用として燃やされており、材料としてのリサイクルはわずか6%程度、そのまま構造材として再利用する「リユース」に至っては実質ほぼ0%というのが実態です。詳細は建設DX研究所(新しいタブで開きます)で報じられている。

このような状況に対して、SAKIYA株式会社のミリ波検査技術は、木材内部の状態を非破壊で検査することが可能であり、建築資材リユースの未来を切り拓く重要な役割を果たすことが期待されています。ミリ波検査技術は、木材内部の繊維の乱れや「節(ふし)」などを非破壊で検知することが可能であり、材料の歩留まり向上やコスト削減に貢献するソリューションの実証実験を進めています。

詳細・ポイント

SAKIYA株式会社のミリ波検査技術は、木材内部の状態を三次元的に把握する「ミリ波イメージング技術」を確立させました。この技術により、目視では判別できない木材内部の状態を非破壊で検査することが可能になりました。現在はサプライチェーンの上流である家具メーカーやハウスメーカー向けに、加工前の段階で不良原因となる節を検知し、材料の歩留まり向上やコスト削減に貢献するソリューションの実証実験を進めています。

EUでは、建築製品規則(CPR)が刷新され、材料をパスポート化して管理する「ビルディング・プロダクト・パスポート(BPP)」の導入が進んでいます。材料にそのプロパティを付した証明書を持たせ、トレーサビリティを確保することで、将来の二次利用を容易にする仕組みです。また、設計手法の規格と材料の試験規格が切り離されているため、中古のリユース材であっても、試験で性能が証明されれば新品同様の材として設計へ組み込むことができるという柔軟な運用がなされています。

業界への波及効果

SAKIYA株式会社のミリ波検査技術は、建築業界全体に大きな影響を与えることが期待されています。ゼネコンや設計事務所は、ミリ波検査技術を活用して建築資材リユースを促進することが可能になります。また、施工管理者やデベロッパーは、ミリ波検査技術を活用して建築物の構造的な傷みを定量化することが可能になります。

実務者のアクション

実務者は、以下のアクションを取ることができます。

* ミリ波検査技術の導入を検討する

* 建築資材リユースの促進に取り組む

* JAS規格の改定に注目する

これらのアクションにより、実務者は建築業界の脱炭素社会の実現に貢献することができます。