背景・経緯
熊本県南小国町の黒川温泉郷は、阿蘇の自然に抱かれた谷あいにある静かな温泉地として人気がある。温泉街の中心地から歩いて10分ほどの場所に「Au Kurokawa」が設立されたのは2年前、2024年のことだ。約3000坪の敷地を使って整備された地域共有レストラン群を指す。ホームページを開くと、「これからの黒川温泉を支える食の拠点」とある。
「Au Kurokawa」を訪ねると、もとは段々畑だった敷地が緑の芝生で覆われていて、空間全体が美しかった。飲食店が集まっているといっても、それぞれ少し離れていて、一部は木陰に溶け込むようにして建っているため、広々として落ち着いている。詳細はSUUMOジャーナル(新しいタブで開きます)で報じられている。
詳細・ポイント
「Au Kurokawa」では50km圏内で調達できる食材を扱うのを基本方針にしている。熊本産のピーナッツバターやクラフトコーラなどお土産になりそうな品もある。構想から足かけ5年を経て、パン屋、豚肉料理、あか牛料理、ミシュラン和食にフレンチが出そろったことになる。Au Kurokawaいよいよこれから本番、といったところだろう。
「奥の湯」3代目の音成貴道さんは、「黒川に泊まってくださるお客さんをターゲットとして、うちの宿に泊まってくだされば星付きレストランの料理も選択できますよという試みです。8月にできた2店は、各店カウンター12席と決まっているので、席数も限られます」と語る。
業界への波及効果
この試みを始めた背景には、温泉旅館が抱える悩みがあった。人手が足りない状況は、どんな分野でもますます加速するのだろう。和食の料理人に限らない。黒川温泉だけの話でもない。日本全国どこの温泉旅館にもいえることだ。温泉旅館の一ファンとしても、これから先もずっと一泊二食付きの旅館スタイルもぜひ続いてほしい。
実務者のアクション
実務者は、明日から「泊食分離」のスタイルを検討し始めるべきだ。宿からAu Kurokawaまでは少し距離があるため、送迎もしてくれる。すべての飲食店は、音成さんが直接声をかけて集めた。実務者は、地産地消を掲げた「Au Kurokawa」の取り組みを参考に、温泉旅館の新しいスタイルを模索し始めるべきだ。