背景・経緯
安全対策は「気をつける」では続かない。仕組みとして回すための枠組みが労働安全衛生マネジメントシステムであり、建設業向けに整理されたものがCOHSMS(コスモス)(新しいタブで開きます)である。
その目的は、建設事業者と社員が協力して計画(P)-実施(D)-評価(C)-改善(A)のサイクルを回し、作業所における労働災害の潜在的な危険有害要因をなくすことにある。
詳細・ポイント
システムの中核にあるのがリスクアセスメントである。施工計画や作業開始時など、あらゆる場面で作業に伴う危険性・有害性を特定し、災害や事故が発生するリスクを見積り、評価する。
重要なのは、リスクを洗い出すこと自体ではなく、見積もった結果に基づいて優先順位をつけ、除去・低減の措置を計画に落とすところまでを一連の流れとして扱う点である。
業界への波及効果
COHSMSの認定は、公共工事の入札における評価項目として扱われる場合があり、経営上のインセンティブとしても機能している。
一方、書類の整備が目的化すると、現場の実態と乖離した「紙の安全管理」に陥る。この批判はマネジメントシステム全般につきまとう課題である。
実務者のアクション
リスクアセスメントは、過去の災害事例と自社のヒヤリハットを起点に作ると実効性が高い。一般的な危険源のリストを転記しただけでは、現場の実感と結びつかない。
評価(C)の段階で、計画した措置が実施されたかだけでなく、実施した結果リスクが下がったかを確認する運用にしたい。実施率の管理はゴールではない。