背景・経緯
遠隔臨場は段階確認から始まったが、その先にあるのが検査の遠隔化である。国土交通省大臣官房技術調査課は令和6年3月、遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)(新しいタブで開きます)を示した。
検査は、工事の成果を確定させる手続きである。ここを遠隔化するには、確認の確実性をどう担保するかという設計が要る。
詳細・ポイント
要領では、受注者が検査対象書類を情報共有システム(ASP)を用いて事前に検査職員と共有することが求められている。書類の確認をあらかじめ済ませたうえで、現物の確認を映像で行うという分担である。
また、遠隔実施にあたっては、カメラやWeb会議システムの接続状況が確保されていることを事前に確認することとされている。当日の通信不良で検査が不成立になる事態を避けるためである。
業界への波及効果
検査の遠隔化が定着すれば、検査待ちによる工程の停滞が減る。特に離島・山間部の工事では、検査日程の調整が工程上の制約になってきた。
一方で、出来形の実測や品質の確認には、依然として物理的な立会が必要な場面が残る。全面遠隔ではなく、対象を選別する運用が現実的である。
実務者のアクション
受注側は、検査対象書類の事前共有を「当日までに揃える」ではなく「随時アップロードする」運用に変えたい。直前の一括提出は、確認の時間を奪う。
発注側は、遠隔で確認できる項目とできない項目を工種ごとに整理しておくと、検査計画が立てやすくなる。