背景・経緯
GMP(Guaranteed Maximum Price)とは、建設用語としての解説(新しいタブで開きます)にあるとおり、建設プロジェクトにおいて契約上の価格や条件を取り決める際に設定される上限金額である。GMPが設定された工事契約では、受注者が最終的な工事金額の最高限度額を保証し、その金額を超過した分は受注者が負担する。
設計が固まらない段階で工事に着手する場合、発注者が最も恐れるのは青天井のコスト増である。GMPはこの不安に対する答えとして機能する。
詳細・ポイント
GMPは単独では成立しにくい。上限を保証する側は、リスク分を上限額に織り込む。その上乗せが妥当かを検証できなければ、上限は高止まりする。
だからこそオープンブック方式と組み合わされる。原価が開示されていれば、実際の支出とGMPの差額が見える。差額が生じた場合の扱い(発注者に返還するか、分配するか)を契約で定めておくことが、この仕組みの要になる。
業界への波及効果
GMPの設定は、設計の確定度合いに強く依存する。条件が不確定なまま上限を求めれば、その不確実性は価格に転嫁される。「早く上限を知りたい」という要求が、結果的にコストを押し上げる構造がある。
日本での適用例はまだ限られ、主として大規模な民間案件や復興事業で用いられてきた。
実務者のアクション
発注者は、GMPを設定する時点で確定している設計条件と、未確定の項目を一覧化しておきたい。未確定項目の扱いが、後の変更協議の焦点になる。
差額が生じた場合の分配ルール(セービング条項)は、契約時に明記すべきである。ここが空白だと、コスト削減の動機が働かない。