背景・経緯

建物ストックが増えるにつれ、新築より改修の比重が高まっている。リノベーションコンサルティングの解説(新しいタブで開きます)では、商業施設、ホテル、工場のように営業を継続しなければならない施設の改修マネジメントが扱われている。

改修は新築より容易だと思われがちだが、実際は逆である。制約条件が圧倒的に多い。

詳細・ポイント

最大のリスクは、既存図面と現況の不一致である。竣工後の改修履歴が図面に反映されていない建物は珍しくなく、解体して初めて構造や配管の実態が判明する。

営業継続という条件も重い。作業時間帯が夜間に限られる、騒音・振動の制約がある、来館者の動線を確保する必要があるといった条件が、工期と工事費を押し上げる。

改修のマネジメントでは、建物診断から長期修繕計画の見直しまでを含めて支援する形が採られることもある。

業界への波及効果

改修市場の拡大は、既存建物を読み解ける技術者の価値を高める。図面のない建物を調査し、法適合を判断する能力は、新築設計とは別の技能である。

一方、改修工事は数量の事前確定が難しく、精算方式の選択が論点になりやすい。

実務者のアクション

発注者は、設計に先立つ現況調査に十分な費用と期間を確保したい。ここを削ると、着工後の変更で何倍もの費用がかかる。

契約時には、想定外の事象が判明した場合の取扱いを定めておくことが必須である。改修では「想定外」が発生する前提で契約を組むべきである。