背景・経緯

単品スライド条項は、国土交通省の運用改定に関する情報(新しいタブで開きます)にあるとおり、工事請負契約書第26条第5項に規定されている。

導入の経緯は明確で、第二次オイルショックを契機に、物価全般ではなく特定の資材のみが急騰する事態への対応が必要になったためである。単年度工事では全体スライド条項では対応できず、個々の工事ごとの特約として実施されたのが始まりとされる。

詳細・ポイント

運用の要点は、対象資材の特定と数量・価格の立証にある。どの資材が、どの時点の価格を基準に、どれだけ変動したかを示す資料が必要になる。日々の購入記録や納品書の管理が、そのまま請求の可否を決める。

近年は鋼材・木材・生コンクリートなどが対象として問題になる場面が多い。制度の存在を知らずに自社で吸収してしまう例も現場には少なくない。

業界への波及効果

公共工事で制度が整備されていることは、民間工事の交渉にも間接的な影響を及ぼす。公共の約款が参照点として機能するためである。

一方、下請段階まで価格変動の調整が及ぶかは別問題である。元請が受け取った増額が下請に適切に配分されるかは、取引実務の課題として残っている。

実務者のアクション

受注側は、主要資材の購入価格を工事ごとに時系列で残す運用を徹底したい。請求段階で遡って集めるのは現実的でない。

下請取引においては、元請が受けたスライドの適用を下請契約にも反映する運用を、契約時点で取り決めておくことが望ましい。