背景・経緯

鹿島は建設業界で初めて1949年に技術研究所を開設し、その初期から現場の騒音対策や建築音響の研究に取り組んできた。研究成果を基とし、96年にオプソーディスの基本原理を発明。これまでに多数の音楽ホールやスタジオの設計・施工に携わり、オプソーディスを搭載した音響解析シミュレーターを活用して音響性能の向上につなげている。詳細は日刊建設工業新聞(新しいタブで開きます)で報じられている。

オプソーディス・ワンの基盤技術の開発は長い歴史を持つ。 鹿島は2002年には、オプソーディスを搭載したスピーカーの試作機を開発した。一般的なスピーカーは、壁や天井からの反射音が加わることで、室内の形状で音の聞こえ方が変わることがある。オプソーディスはスピーカーの直接音だけで、上下、左右、前後、遠近を含む360度の音場を再現する。反射音を利用しないため、屋内だけでなく大規模なイベント会場や屋外でも使用できる。

詳細・ポイント

オプソーディス・ワンは、英サウサンプトン大学と共同開発した立体音響技術「オプソーディス」を搭載する。幅38センチ、高さ7センチ、奥行き13センチと小型で、テレビやパソコンのモニターなどを置くデスクトップにも設置しやすい。24年6月から約1年間、クラウドファンディングを通じて販売したところ、国内企業単独の製品開発プロジェクトで過去最高額となる約9億2800万円の支援金を集めた。表彰事業でも高い評価を受け、24年末に放映されたテレビ番組「アメトーーク」の人気企画「家電芸人」では、お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さんが紹介した。

電気設備設計を専門とする鹿島の村松繁紀立体音響プロジェクトチーム事業推進統括部長によると、ここ数年、ネット配信サービスの急速な普及を踏まえ、映画鑑賞での利用を中心に製品をPRしてきた。一方、日本発のゲームコンテンツの充実ぶりに加え、市場規模が大きく、イヤホンやヘッドホンで楽しむ人も多いゲームそのものにも着目。17~21日に千葉市美浜区の幕張メッセで開かれた「東京ゲームショウ(TGS)2026」に初出展した。

業界への波及効果

この動きが建設業界全体にどう影響するか考える必要がある。ゼネコンや設計事務所は、建築物の設計や施工の際に音響性能を考慮する必要がある。オプソーディス・ワンのような立体音響技術は、建築物の音響設計に新たな可能性をもたらす。また、ゲーム業界との連携も期待される。ゲーム開発会社は、オプソーディス・ワンのような立体音響技術を活用して、よりリアルなゲーム体験を提供することができる。

実務者のアクション

読者は、以下のアクションを取ることができる。まず、オプソーディス・ワンの技術仕様や機能を調査する。次に、自社の事業にオプソーディス・ワンのような立体音響技術を活用する可能性を考える。さらに、ゲーム業界との連携を図ることで、より広範な市場に進出することができる。