背景・経緯

中小企業庁は、強い中小企業構築を目指し「労働供給制約社会における中堅・中小企業の“稼ぐ力”強化戦略」を策定しました。この戦略は、価格転嫁・取引適正化を徹底するため、官公需取引状況の実態把握を強化するとともに、中小企業の円滑なM&A実施に向けた環境を整備することを目的としています。

建設業界では、官公需分野での取引が大量に存在し、中小企業の競争力強化は大きな課題です。中小企業庁は、国や地方自治体が主要な受注者リストを提供し、これを基に中小企業庁がリストに掲載された中小企業に対して調査する方式を採用する予定です。この方式は、従来の価格交渉促進月間フォローアップ調査では中小企業30万社にアンケートを配布し、10社以上の中小企業から回答が得られた発注機関は89機関にとどまるため、調査方法を改める必要性がありました。

詳細・ポイント

中小企業庁は、価格転嫁・取引適正化の徹底に向け、国・地方あわせて30兆円規模に上る官公需分野での対策を強化する予定です。具体的には、国や地方自治体が主要な受注者リストを中小企業庁に提供し、これを基に中小企業庁がリストに掲載された中小企業に対して調査する方式を採用する予定です。また、優越的地位の乱用に関する独占禁止法上の考え方(優越ガイドライン)を改定し、サプライチェーン全体の適切な価格転嫁につなげることを目指しています。

中小企業庁は、早期の創設を目指す(仮称)中小M&A支援資格者制度を設ける予定です。この制度は、支援を担う個人の質の担保・向上につなげることが目的です。必要な知識・スキルや倫理・行動規範などを問う試験制度と登録制度を併せて運用することを想定しています。

業界への波及効果

この動きは、建設業界における中小企業の競争力強化と価格転嫁・取引適正化を促進することになります。中小企業の円滑なM&A実施に向けた環境を整備することで、中小企業の成長を促進し、業界全体の競争力を高めることが期待できます。

また、優越的地位の乱用に関する独占禁止法上の考え方(優越ガイドライン)を改定することで、サプライチェーン全体の適切な価格転嫁につなげることが可能になります。これは、建設業界における価格転嫁の問題を解決するための重要なステップになります。

実務者のアクション

中小企業の経営者や管理者は、以下のアクションを取ることが必要です。

1. 官公需取引状況の実態把握を強化するために、中小企業庁が提供するリストに掲載された中小企業に対して調査に協力する。

2. 価格転嫁・取引適正化の徹底に向け、国・地方あわせて30兆円規模に上る官公需分野での対策を強化するために、必要な情報を提供する。

3. 早期の創設を目指す(仮称)中小M&A支援資格者制度を利用して、支援を担う個人の質の担保・向上につなげる。