背景・経緯

建設業界では、技術者の不足が深刻な問題となっている。特に、BIM/CIMエンジニアの需要は高まっており、多くの企業が将来の担い手不足に懸念を抱えている。ヒューマンリソシアの独自調査によれば、BIM/CIM活用に必要な人材について52.8%が「5年後に人材不足が拡大する」と回答している。事実、2025年3月に大学などを卒業して建築・土木・測量技術者として就職した人数は前年比0.9%減と、3年連続で減少している。

一方で、人材不足を感じる回答者のうち85.7%がBIM/CIM分野での海外人材の採用に前向きな姿勢を示すなど、海外人材を解決策の選択肢として捉える企業は多い。インドはITエンジニアの供給国として実績があるだけでなく、建設分野でも大規模な教育基盤を形成しており、大学などの学部課程で建設工学を学ぶ学生は約32.3万人に上る。

詳細はBUILT (ITmedia)(新しいタブで開きます)で報じられている。

詳細・ポイント

ヒューマンリソシアは建設工学の教育課程を持ち、外国語教育やグローバル人材育成に注力するアディティヤ大学と連携し、インドの専門人材と日本国内のエンジニア業務を直接つなぐ仕組みを構築した。合意に基づき、アディティヤ大学は対象となる学生や卒業生へ情報を提供し、候補者を募集し、ヒューマンリソシアは日本での業務内容や就業環境に関する説明会を開催して選考と採用を担う。採用者には訪日前から会話を中心とした日本語教育を提供し、日本に来た後は住居や生活の支援、日本文化や職場環境に関する研修を実施する。その上で国内の建設企業へ派遣し、就業後も定着やキャリア形成を継続的に後押しする。

ヒューマンリソシアは今回の連携を起点に、インドの他の大学や教育機関との連携を広げ、建設関連分野の専門人材を継続的に採用/育成する基盤づくりを進める。同時に日本語教育から訪日、就業、定着までの一貫した支援体制を強化し、2027年度末までにBIM/CIMエンジニア1000人体制を構築して、国内企業の技術者不足の解消につなげる。

業界への波及効果

この動きが建設業界全体にどう影響するかを見ると、ゼネコンや設計事務所、施工管理者などが海外の人材を積極的に採用するきっかけとなる可能性がある。特に、BIM/CIMエンジニアの需要が高まっている中で、インドからの人材導入は技術者の不足解消に期待がかかっている。さらに、建設業界におけるデジタル化の促進や、海外の人材との協業による新しいビジネスモデルの創出にもつながる可能性がある。

実務者のアクション

読者が「明日から」取るべき具体的なアクションは、以下の3点である。まず、建設業界の技術者不足問題について理解し、自社のニーズに応じた解決策を探る。次に、海外の人材導入を通じた技術者の不足解消を検討し、必要に応じて日本語教育や生活支援を提供する。最後に、自社のビジネスモデルの見直しを図り、デジタル化や海外の人材との協業による新しいビジネスチャンスの創出を目指す。