背景・経緯
制度の説明よりも、実際にどう使われたかを見る方が早い。国土交通省が公表したCM方式活用事例集(新しいタブで開きます)は、「知りたいが見つかる28選」の副題どおり、地方公共団体等の28事例を収録している。
内訳は建築事業20事例、土木事業8事例で、災害復旧事業、庁舎、学校、病院といった建築事業が中心となっている。
詳細・ポイント
注目すべきは導入理由の分布である。「工期等の短縮」「コスト縮減」といった事業面の理由と、発注者の「人員補完」「技術力補完」という体制面の理由が、同程度に挙げられている。
つまりCM方式は、コスト削減の手段としてだけでなく、発注者機能そのものの補完策として選ばれている。技術職員が減り続ける自治体にとって、後者の意味は大きい。
業界への波及効果
事例集の存在は、導入を検討する自治体の心理的障壁を下げる。前例のない手法を単独で採用する判断は難しいが、類似規模の団体の事例があれば議会説明も組み立てやすい。
一方、未導入の理由として「導入に適した案件がない」が過半を占め、行政規模が小さいほどノウハウ不足が障壁になる傾向も指摘されている。
実務者のアクション
自団体と近い規模・用途の事例を2〜3件選び、業務範囲と委託費の水準を確認することから始めたい。抽象的な制度説明より、この比較の方が判断材料になる。
事例の「効果」欄は、そのまま自団体に当てはまるとは限らない。前提条件(発注者の体制、案件の難易度)を併せて読む必要がある。