背景・経緯

国土交通省は、CM方式を発注者が利用しやすい仕組みとするための検討会を全8回にわたり開催し、その成果として令和2年9月に地方公共団体におけるピュア型CM方式活用ガイドライン(新しいタブで開きます)を取りまとめた。

ピュア型CMとは、CMRが施工そのものや施工リスクを引き受けず、純粋に発注者支援の立場でマネジメント業務を行う形態を指す。CMRが工事を請け負う「アットリスク型」と対比される概念である。

詳細・ポイント

自治体向けにガイドラインが整備された理由は明快で、技術職員が数名、あるいは実質的にゼロという市町村が現実に存在するためである。庁舎建て替えや学校の長寿命化改修のように、数年に一度しか発生しない大型案件を、経験の蓄積がないまま発注しなければならない。

ガイドラインは、こうした団体がCM業務を発注する際の業務内容の記載例、委託費の考え方、CMRの選定方法(プロポーザル方式の活用)といった実務論点を整理している。特に「発注者としての最終判断は自治体が行う」という原則を繰り返し確認している点が重要である。

業界への波及効果

自治体案件でのCM活用が広がると、地域の建設コンサルタントや設計事務所にとって新たな業務領域が生まれる。設計や監理とは異なるマネジメント業務として、技術者のキャリアパスにも影響する。

同時に、CM委託費が別途必要になるため、財政的な説明が求められる。手戻りや設計変更の削減効果をどう定量化して議会や住民に示すかは、依然として各団体の課題である。

実務者のアクション

自治体側の担当者は、まず自団体の過去案件で「どこで手戻りが起きたか」を棚卸しすることを勧めたい。設計段階の要求整理が甘かったのか、施工段階の変更対応だったのかで、CMRに求める機能は変わる。

受託を目指す側は、ガイドラインが示す業務内容の記載例を踏まえ、自社が提供できる業務を具体的に言語化しておくべきである。曖昧な「総合的支援」では、プロポーザルでの評価につながりにくい。