背景・経緯

CM方式は、発注者の補助者・代行者であるCMR(コンストラクション・マネージャー)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計・発注・施工の各段階でマネジメント業務の全部または一部を担う方式である。国土技術政策総合研究所の発注者支援型CM方式に関する資料(新しいタブで開きます)は、この方式を発注者側の課題に引きつけて整理している。

発注者側の技術者や発注経験者が不足している自治体にとって、発注者支援を受ける仕組みは、公共工事の品質を確保し事業目的を達成するための重要な選択肢として位置づけられている。

詳細・ポイント

資料が示す導入目的は3つに整理できる。第一に、技術系職員が恒常的に不足している場合や、災害復旧工事等で短期的に事業量が増大した場合における、発注者の体制・能力の量的補完。第二に、大規模あるいは高度な工事における質的補完。第三に、分離発注によるコスト構成の透明化である。

この整理が実務で効くのは、求める機能によってCMRに必要な資質が変わるためである。量的補完なら人員を張れること、質的補完なら当該分野の技術的知見、透明化なら見積査定の能力が問われる。すべてを一人のCMRに期待すると、どれも中途半端になりやすい。

業界への波及効果

発注者支援という業務領域は、建設コンサルタントや設計事務所にとって設計業務とは異なる収益源になっている。求められるのは成果品ではなく、発注者の意思決定を支える判断材料である。

一方で、CMRの品質にはばらつきがあり、マネジメント経験と技術的知見の両方を備えた人材は限られている。発注者側に評価能力がなければ、選定の段階で見極めることも難しい。

実務者のアクション

発注者は、委託を検討する前に「量的・質的・透明化のどれが主目的か」を庁内で言語化しておきたい。この一語が決まらないまま仕様書を書くと、業務範囲が曖昧になる。

受託を目指す側は、自社の実績を用途別ではなく「どの補完機能を果たしたか」で整理し直すと、提案の説得力が増す。