背景・経緯
国土交通省が直轄事業で導入した事業促進PPP(新しいタブで開きます)は、CM方式と近い性格を持ちながら、より上流に踏み込む枠組みである。
特徴として挙げられるのは、事業の川上のマネジメントに初めて民間を活用したこと、官民の技術者が多様な知識・経験の集約により効率的に事業を促進すること、官民一体の専任チームが現地に常駐し地域を重視して事業を実施したことである。
詳細・ポイント
支援の対象は、調査・設計、用地取得、施工の各段階にまたがる。特に用地取得や関係機関協議といった、従来は発注者しか担えないとされてきた領域に民間技術者が関与する点が新しい。
現地常駐という形態も重要である。書類のやり取りではなく、同じ場所で意思決定に関与することで、判断のスピードが変わる。
業界への波及効果
建設コンサルタントにとっては、成果品を納める業務から、事業を動かす業務への拡張を意味する。求められる能力も、設計技術から調整力・判断力へ広がる。
一方で、官の意思決定にどこまで民間が関与できるかという線引きは、常に論点として残る。責任の所在を曖昧にしない設計が必要である。
実務者のアクション
発注者は、民間に委ねる判断と自ら行う判断を業務仕様書で明確に分けたい。この区分が曖昧だと、現場で判断が止まる。
受託側は、常駐要員の確保が最大の制約になる。受注前に人員計画を具体化しておかないと、体制不足のまま業務が始まる。