背景・経緯

国土交通省は平成29年3月、東日本復興CM方式の検証と今後の活用に向けた研究会報告書(新しいタブで開きます)を取りまとめた。緊急時に採用された手法を、事後に検証して知見として残す試みである。

東日本復興CM方式は、12市町19地区における防災集団移転促進事業や土地区画整理事業等の復興市街地整備事業に導入された。

詳細・ポイント

特徴的なのが実施体制である。自治体(事業主体)、UR(発注者)、CMR(受注者)の三者による体制が構築された。自治体が事業主体であっても、発注者としての実務はURが担うという分担である。

この体制が成立した理由は、被災自治体に発注者としての実務能力が残っていなかったことにある。URが発注者機能を代行し、CMRが実務を担うという二重の補完構造になっている。

業界への波及効果

報告書の検証は、この方式の効果と課題を両面から扱っている。事業のスピードという点では効果が確認された一方、コストの妥当性検証や競争性の確保については課題が指摘された。

平時の事業に適用する際、この三者体制をどう組み替えるかは未解決の論点として残る。URに相当する発注者機能の代行主体が、平時には存在しない。

実務者のアクション

自治体は、自らの発注者機能のどの部分が外部に委ねられるかを整理しておきたい。契約の主体は移せないが、実務は移せる。この線引きが体制設計の基礎になる。

事業者側は、報告書に示された課題(コスト検証、競争性)への回答を提案に組み込むことが、信頼獲得につながる。