背景・経緯
工期延長は現場の失敗と受け取られがちだが、原因の多くは現場の外にある。工期延長の原因と対処の解説(新しいタブで開きます)でも、資材調達の遅れや人手不足が近年の深刻な要因として挙げられている。
国際情勢の変化やサプライチェーンの混乱により、建材や設備機器の納期が大幅に遅延するケースが増えた。輸入材や特注品は発注から納品まで数か月を要することもあり、その間は工事が進まない。
詳細・ポイント
契約上の処理を考えるには、原因を3つに分けるのが有効である。発注者側に起因するもの(設計変更、承認の遅延、用地・支障物の未解決)、受注者側に起因するもの(施工体制の不備、手戻り)、そしていずれの責にも帰さないもの(天候、災害、市場全体の納期遅延)である。
この分類によって、工期延長の可否、延長期間中の現場管理費の負担、遅延損害金の要否が変わる。原因が混在する場合の切り分けが、実務上最も難しい部分になる。
業界への波及効果
長納期品のリスクは、設計段階の仕様決定に跳ね返る。納期の読めない特注品を採用するか、汎用品で設計するかが、工程リスクの選択そのものになりつつある。
時間外労働規制のもとでは、遅れを残業で吸収する余地が小さい。延長の判断を早めに行う必要性が高まっている。
実務者のアクション
主要機器の納期は、契約直後に発注先へ確認して工程表に反映したい。着工後に判明する納期は、ほぼ確実にクリティカルパスを直撃する。
延長が避けられないと判断した時点で、原因と根拠を添えて書面で協議を申し入れることが重要である。竣工間際の申し出は、原因の如何を問わず不利に扱われる。