背景・経緯
設計施工一括発注方式は、設計と施工を一括して発注する方式で、公共工事ではデザインビルド(DB)方式とも呼ばれる。DB方式の解説(新しいタブで開きます)では、設計と施工の分離発注との違いが整理されている。
導入が広がった背景には、震災復興と大型イベント関連工事という、工期短縮の圧力が強い局面があったとされる。
詳細・ポイント
メリットは明快である。設計にゼネコンの技術力を活かせること、工事費や工期を早期に高い精度で確認できること、資材の先行発注によって工期短縮が可能になること。発注者は受注者に責任を一元化でき、施工ノウハウを反映した合理的な設計を期待できる。
一方の課題は、設計内容を第三者が検証する機能が構造的に弱くなる点にある。設計者が施工者と同一組織である以上、施工都合を優先した設計になっていないかを発注者自身が見極めなければならない。
業界への波及効果
DB方式の拡大は、設計事務所の受注構造に影響する。ゼネコンの設計部門または協力設計事務所として関わる形が増え、発注者と直接契約する機会は減る。
この構造ゆえに、発注者支援としてのCM・PMの需要が同時に高まるという関係にある。
実務者のアクション
発注者は、要求水準書の精度に投資すべきである。DB方式では設計の裁量が受注者に移るため、要求水準に書かれていないものは実現されない。
選定にあたっては、価格だけでなく設計提案の実現性を評価する体制が要る。評価者に技術的な知見がないまま提案を並べても、判断はできない。