背景・経緯
公共工事の落札者決定は長らく価格競争が中心だった。品質確保の観点から導入されたのが総合評価落札方式であり、入札契約方式の適用に関する資料(新しいタブで開きます)でも落札者決定方法の一類型として位置づけられている。
提案に関する技術評価点と入札価格から評価値を算定し、評価値の最も高い者を契約の相手方として選定する仕組みである。
詳細・ポイント
評価値の算出方法にはいくつかの型があるが、共通するのは技術点と価格をひとつの数値に統合する点にある。技術点の配分が大きいほど、価格以外の要素が結果を左右する。
評価項目には、企業の施工実績、配置予定技術者の経験、施工計画の妥当性、地域貢献などが用いられる。どの項目にどれだけ配点するかが、事実上の政策判断になる。
業界への波及効果
この方式のもとでは、技術提案書の作成能力そのものが競争力になる。技術力があっても書面化が苦手な企業が不利になるという指摘は、制度導入当初から続いている。
発注者側にも、提案を評価できる体制が求められる。評価の負担が大きいため、小規模案件では簡易型の運用が広がっている。
実務者のアクション
応札側は、過去の落札結果から技術点の分布を分析することを勧めたい。技術点で差がつかない案件では、実質的に価格勝負になる。
発注者側は、評価項目が本当に工事の品質に効くものかを定期的に見直すべきである。形骸化した項目は、応札側の作文コストを増やすだけになる。