背景・経緯

CMは米国で発達した手法であり、日本への導入にあたっては前提の違いが繰り返し論点になってきた。日本におけるCMを海外向けに解説した記事(新しいタブで開きます)では、この差異が整理されている。

国際的な建設プロジェクトでは、CMマルチプライム契約(CMMP)が一般的に採用される。発注者が各専門工事業者と直接契約し、CM会社が発注者の代理人として複数の施工者を管理・調整する形態である。

詳細・ポイント

日本の民間工事では、民間(七会)連合協定工事請負契約約款が標準的なモデルとして用いられる。一方、国際案件ではFIDIC、JCT、AIAといった標準約款、あるいは発注者独自の条件が前提となる。

より本質的な違いが、設計図書の完成度に対する前提である。日本では、設計図書に記載のない事項を施工者側の技術力で補うことが慣行として許容されてきた。海外の契約では、図書に書かれていないものは契約範囲外として扱われる。

業界への波及効果

この差は、変更契約の頻度に直結する。図書の精度が低いまま海外型の契約を適用すれば、変更請求が頻発する。

海外発注者が日本国内で建設を行う案件では、この前提のずれがトラブルの原因になりやすく、両者の橋渡しができる人材の需要が高まっている。

実務者のアクション

海外案件に関わる場合は、まず適用される約款の変更条項と紛争解決条項を確認したい。日本の商慣行での「協議して解決」は通用しない。

国内案件でも、設計図書の完成度を前提とした契約に移行する流れは強まっている。図書に書く精度を上げることが、結果的にリスクを減らす。